2024年9月1日日曜日

ストラトキャスターの弦間ピッチを変更 - Changed the string pitch of the Stratocaster.

ギターの弾きやすさに大きく関係するのが弦の間隔、いわゆる弦間ピッチというやつです。

手持ちのストラトキャスターの弦間ピッチも以前から気になっていたのですが、今回ついに変更しました。

そもそも弦間ピッチって?

冒頭に書いた通り弦間ピッチは弦と弦との間隔のことで、メーカーや機種によってバラバラです。

各メーカーの代表的な値は

  • Gibson:10.5mm
  • Fender:11.2mm~10.5mm
  • PRS(Paul Reed Smith):10.5mm
  • Fujigen:10.8mm
  • YAMAHA:10.5mmもしくは10.8mm
  • Ibaneze:10.5mmもしくは10.8mm

などなど。

Gibsonの例でいうと、ブリッジの部分で6本の弦が10.5mm間隔で並んでいるわけです。
上記はあくまでもメーカー毎の基本的な数値ですが、GibsonやPRSは10.5mm統一なので、このメーカー間なら持ち替えても弾き心地はあまり変わりません。

一番厄介なのはFender。
機種(シリーズ)によってバラバラで、例えばストラトキャスターの場合

  • ビンテージ物やVintageシリーズ:11.2mm
  • 所謂modernシリーズ:10.5mm
  • Mexico製:10.5mm
  • Japan製:10.8mm

と、バラバラ。
初期の頃は11.2mmだったのですが、時代の変化に合わせて弦間ピッチを狭くしていった歴史があります。
そのため、ストラトキャスターを複数持っているけど弦間ピッチが全部違うなんてことも(涙)。
Fenderのギターは今もこの状態が続いています。

ちなみに私が持っているギターはFujigenが10.8mm、YAMAHAが10.5mm、今回のストラトキャスターと自作のテレキャスターが11.2mmで11.2mmが多数派なのですが、手が小さいために10.8mmが一番弾きやすい。

なので変更することにしました。

弦間ピッチが違うとどうして弾きづらい?

数字を見る限り「コンマなんミリの違いじゃないの?」と思うかもしれませんが、これが大きく影響するんです。

  • 狭い弦間ピッチから広い弦間ピッチに持ち替えると:空ピッキングが起きやすい(ターゲットの弦に届かない)
  • 広い弦間ピッチから狭い弦間ピッチに持ち替えると:ミスピッキングが起きやすい(ターゲットの弦の先の弦を弾いてしまう)

弦の位置って「手が覚えてる」んですよね。

また6弦から1弦までの幅を「EtoE」といいますが、その違いは

  • 弦間ピッチ 10.5mm:EtoE 52.5mm
  • 弦間ピッチ 11.2mm:EtoE 56.0mm

と3.5mmも差があるんです。

ギターは実は繊細な楽器。
コンマ何ミリの違いでも弾いていて

なんともいえない落ち着きの悪さ

を感じます。

今回の作業内容

ここからは今回のストラトキャスターに限定して書きます。

ビンテージのコピーモデルなので弦間ピッチは仕様どおり11.2mmになっていますので、それを10.8mmに変更します。

弦間ピッチを変更するにはブリッジを載せ替えますが、一般的なストラト用ブリッジは

弦間ピッチ=固定ねじピッチ

になっています。
固定ねじピッチとはブリッジをボディーに固定しているねじの間隔で、

載せ替えるには固定ねじピッチの変更も必要

ということです。
具体的には、古いねじ穴を埋めて新たなねじ穴をボディーに開けなければなりませんが、素人が正確に開け直すのは至難の業。

そこで今回は

弦間ピッチ≠固定ねじピッチ

という数少ない種類のブリッジに交換します。

モノは

WilkinsonブランドのWV6SB

Wilkinsonはギター愛好家にはおなじみのブランドですね。
有名メーカーのギターにも標準で採用されることの多いギター用パーツブランド。

今回の製品は

  • 弦間ピッチ:10.8mm
  • 固定ねじピッチ:11.2mm

弦間ピッチは狭いけど、固定ねじピッチは従来通りという変態仕様(笑)。
しかも多少の誤差は吸収できるようにネジ穴が楕円形になっているスグレモノ!

実はこのブリッジはビンテージ仕様のストラトにポン付け(無加工取付)できるということで愛用者も多く、私もサクッと交換できました。

WV6SBの独創性

今回交換したブリッジには他にも特徴があります。

一つ目は弦を通す穴の位置が統一ではなく、弦によって変えられています。
写真を見れば一目瞭然だと思いますが、これは弦毎のテンション(張力)を考慮した設計だそうです。

二つ目は一弦と六弦各弦のサドルの足の部分に溝が掘ってあり、横ずれ防止が施されていること。
ほんと素晴らしいアイディアです。

弾いて見た感想

ブリッジを交換して弾いた感想は、弦間が狭くなったのでかなり引きやすくなりました。
また手が小さめの私としては、ハイフレットでの押弦も少し楽に。

今回ブリッジを交換した間接的な理由としてあったのがブロックの劣化です。
安価なギターによく使われる鋳物製だったのですが、さすがに30年も経つと劣化してヒビ割れが酷くなり。
これも今回の交換でスチール製に変わったので、あと数十年は劣化しないでしょう。

「不具合があるけど高価なギターだから改造やパーツ交換はちょっと・・・」

気持ちはわかりますが、

楽器は奏でてナンボ

だと思います。

弾きやすくしてドンドン愛してあげましょう(笑)。

おまけ

交換後にフリーのバッキングトラック素材を使用して、アドリブで一発録りをしてみました。
全くもって下手くそですが、聴いていただけると嬉しいです。
まだまだ鍛錬だなぁ~(涙)

3 件のコメント:
RyuMaster さんのコメント...

GOODです。やっと聞けましたね。

Mayfly さんのコメント...

ありがとうございます!
ヘボですがやっとお披露目できました~
釣りの腕前も、ギターの腕前もまだまだ中途半端・・・(笑)

RyuMaster さんのコメント...

また聞かせて下さい。私も部屋にはギターを置いているのですが、左手の指先は指紋がバッチリででいます。指関節も固くなりました。そんな72歳です。