2021年10月4日月曜日

ビルズ・ブラザース・ストラトキャスター、リペア完了 2 - Bill's Brothers Stratocaster repair completed part 2.

前回からの続きです。

今回はモディファイした配線関係のお話です。

配線について

元の配線は5Wayスイッチを使用したストラトキャスターの基本的なものでした。

図が元の配線です。
スイッチが5段階切り替えなのでそれぞれに働くピックアップは

  • A:フロント
  • B:フロント+センター
  • C:センター
  • D:リア+センター
  • E:リア

となります。

またコントロールも

  • マスター・ボリューム
  • フロント・トーン
  • センター・トーン

となり、ご存じの方も多いかと思いますがオリジナルの配線では、リア・ピックアップのトーン調整は出来ません。
余談ですが、これは「ブリッジに近いリア・ピックアップにトーン調整は不要」というレオ・フェンダーの思想だと。

さて今回の配線は

3Wayスイッチによるテレキャスター化&センター・ブレンダー

と呼ばれるものに変更しました。

図が新しい配線で、配線名は

JIMI HENDRIX WIRING MID 60

で、考案者はこのギターとも関わりのあるビル・ローレンスです。

スイッチは3段階切り替えでそれぞれに働くピックアップは

  • A:フロント
  • B:フロント+リア
  • C:リア

となり、またコントロールも

  • マスター・ボリューム
  • マスター・トーン
  • ブレンダー

となります。

ピックアップの動作とトーン・コントロールがマスターしかないので、正にストラトキャスターのテレキャスター化ですね。

で、今回はさらにセンター・ピックアップを活かすべく、ブレンダーという機能が追加されています。

ブレンダーとは

ブレンダーとはピックアップを調合(ブレンド)する機能です。

今回の配線の場合、ブレンダーの目盛りが10でA、B、Cの切替どおりのピックアップしか機能しないのですが、ブレンダーの目盛りを0方向に回すにつれ、センター・ピックアップの音が徐々にミックスされていきます。

ストラトの配線パターンは膨大にあって、ブレンダー配線も複数あります。
今回はブレンド元がセンターでしたが、フロントやリアにも出来ます。

実は今回、このパターンの前に別のブレンダー配線をしたのですが思うような音にならずこのパターンに変更しましたが、配線は

ピックアップの特性などで意図した音にならない

ことも多いので要注意です。

なぜブレンダー配線を選んだか

テレキャスターのスイッチがセンター・ポジション時(フロントとリアの両方のピックアップが接続)の音が好きなのと、シンプルなコントロールが好みだったので3Wayスイッチ用のブレンダー配線にしました。

結果は期待どおりの音で、更には対策を徹底したおかげで全くノイズがありません。

さて次回はいよいよ音と雑感を。

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