2017年11月4日土曜日

フライフィッシング雑誌の黄昏 - Fly Fishing Magazine's confusion

日本を代表するフライフィッシング雑誌で、私も読者の一人として25年くらい前は毎号欠かさず購入していた「FlyFisher」が、9月号をもって月刊から季刊となりました。
季刊化に併せてwebサイトをオープンし、コンテンツを充実すると。

まー、今の出版界の状況とネットの世界を見ると自然な流れかなとも思いつつ、辛辣な意見を少々。

ここから先は本当に個人的な感想、思いですので、読まれた方、関係者の方はお気を悪くしないで下さい。
どうかお願い致します。

季刊化となっての第一号が先日発売になったのですが、その内容に正直大変がっかりでした(涙)。

webサイトの方は今まで付録DVDに収録されていた動画などが中心になるのかなと想像が出来ますが、じゃあ書籍の方はどんな内容になるのかと期待して(季刊化&web化の期待も込めて)購入したのですが、内容が凄く薄っぺらかったと思います。

私の感覚では全体の95%が釣行記とエッセイ。
このような内容だったら、今の時代はブログやFaceBookで十分ですし、釣行記の動画なんかはYouTubeでもたくさん観ることができます。

特集の「川を読む」も、いくつかの川の尺ヤマメが出たところの写真を掲載しているだけで、なんか「やっつけ感」ありあり。

ヒメマスをフライで釣る記事なんかは興味をひかれたのですが、写真入りのたった2ページで、結局ただの釣行記に終わってしまっている。

ターゲットとしている読者が誰で、読む人にどんな情報を提供しようとしているのか全く感じ取れず、なんか季刊化&web化で迷走しているのではと・・・。

しかも季刊化に合わせて値上がりして、税込み1,944円!
まー、「3ヵ月分だから」と言われたら安そうに思いますが、ページ量が3ヵ月分の訳はなく今までとほぼ変わらずですし、付録DVDは(当然ながら)無し。

しかもwebサイトの方は月額制だと。
今や誰でも自由に情報を発信できる時代、逆にいうと情報がいくらでもタダで手に入る時代に、月額を払ってまで会員になろうと思うような差別化されたコンテンツを提供”し続けられる”のでしょうか?

一方、もう一つのフライフィッシング雑誌「Fly Rodders」。
こちらは従来から季刊誌で最新号が先日発売されましたが、こちらは「広く浅く」というコンセプトが明確になっている気がしました。

特集「オフシーズンに磨くフライキャスティング」もしっかりとページが割かれていて、ディスタンスからラインコントロールまで網羅。

その他の記事として、管釣り向けのフライパターンやランディングネットのメンテナンス、そしてなぜかロッドビルディングのスパインの出し方など、悪くいうと千差万別。

でも、ランディングネットのメンテナンスなんか他の釣り雑誌にもあまり出ないし、目の付けどころが違うかなと。
で税込み1,620円。

昔は個人が情報発信しようとすると、雑誌に記事を書いたり書籍を発刊したり(TVに出るというのもあったかな)だけでしたが、今はブログやSNS、YouTubeを使って積極的に発信できる時代なので、雑誌の立ち位置は非常に難しいと思います。

まー、先に書いたことはなにもフライフィッシング雑誌だけではなく、すべての雑誌が抱えている課題ではありますが、「FlyFisher」には是非とも頑張って欲しいなと。
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