2012年9月9日日曜日

ギターの材料

前回のエントリーにも書いたとおり、今回はギター(エレキギター)の材料のお話を。

左の写真は私の持っているギターですが、どれも全て木製です。

ギターの材料は、金属製や樹脂製のものもありますが、いまだに100%近くが木製です。
エレキギターが誕生して50年以上経ちますが、使われている木材の種類も当時とほとんど同じ。

話は変わりますが、私のもう一つの趣味であるフライフィッシングの竿も元々は木製でしたが、その後竹製になり、戦後グラスファイバーが生まれ、カーボン、ボロンと進化しました。
今ではグラスファイバーとカーボンのコンポジット(複合素材)やカーボンにチタン素材を織り混ぜたものなど日々進化しています。
それに比べるとギターの世界は時が止まったまま(笑)。

ここで話を戻して、エレキギターの原理を簡単に。

エレキギターは、ピックアップから出ている磁気の上を金属の弦が動くことで電気信号が発生し、それを音声信号にして出力しています。
こう書くと、アコスティックギターと違って、基本的に木材の種類が音に強く影響する要素ではないことが分かります。

さてここからは私の私個人の意見ですので、エレキギターに詳しい方は無視して下さい(笑)。

ギターの木材の種類にこだわる人が多いですが、先にも書いたように音を決める要素は、ピックアップの特性、弦の素材、ボリュームやトーンなどの電気回路の部品が第一だと思います。

その次に重要なのが、弦を止めているペグやブリッジ(サドル含む)などの金属パーツですね。
弦の動き方に影響があるので。

最後に木材の種類だと思います。

ではなぜエレキギターの話になると、真っ先に材が話題になるのか?

これってメーカーや販売店の戦略のような気がします(笑)。
要するに「あのギターリストのギターと同じ材を使ってます!」っていう感じで。
またエレキギターの善し悪しを表現するのに「このギターは材が良いんで、生鳴りが凄い!」ってことを言いますけど、これも???
アコスティックギターと違い、エレキギターはあくまでもピックアップの出力をアンプを通して音が決まるので、生鳴りはほとんど意味がありません。
本当に「生鳴りの大きさ=良いギター」なのであれば、ホローボディ(中空ボディ)のギターは全て良いギターになります(笑)。

左の写真は先日購入したAX30と私が自分で組み立てたテレキャスターモデルです。
ボディー材はAX30はバスウッド、テレキャスは桐です。

どちらもギター材としては安価なもので、評判が低い。
でも、鳴らしてみるとどちらも悪くないです。というか、ぜんぜん使えるレベル。

では、なぜこれらの材は「音が悪い!」と言われているか。

バスウッドや桐はどちらかというと、初心者用、廉価機種に多く使用されています。
なので、先に書いた重要な要素となるもの(ピックアップや電気回路の部品、ペグやブリッジなどの金属パーツ、最初についている弦)も安価なものが使用されています。
要するに木材の素性が悪い訳ではなく、ギターとしてのトータルバランスがイマイチなのだと思います。
実際にGJ2(あのグローバー・ジャクソンの新ブランド)やMUSIC MANはバスウッドを積極的に採用して高級機種も発売してます。

余談ですが、Fenderの名器テレキャスターも元々は材が(確か)ポプラでした。
その後、アッシュやアルダーに材が変わって今に至っていますが、変更になった理由も音的なことではなく入手のし易さ、品質の均一さ、コスト、加工のし易さ等だった記憶があります。
右の写真のストラトキャスターも材はアルダーです。


ギターの音だけで材を当てられる人は、絶対にいないと思います。
アンプやエフェクターを通したら尚更です。
バスウッドや桐の音が悪いという人は、最初からそのギターの材を知りながら弾いて「やっぱりイマイチだなー・・」と言う人。言うなれば先入観を口にしているだけです。


「バスウッド=買わない!」ではなく、まずはお店等で弾いてみて音を確かめて判断すべきだと思います。

趣味で弾く範囲では、何十万円も出して(よく言う素晴しい材の)ギターを買うより、まずは数万円のギターを買って、浮いたお金でエフェクターやアンプを揃える方が楽しめますよ。

Let's Rock'n Roll!

2 件のコメント:
匿名 さんのコメント...

初めまして、こんにちは!

アリウムという新素材で作ったAristides社やカーボン製のXOX Audio Tools社などのギターがありますが、まだまだですよね!!

FUMITO

Mayfly さんのコメント...

FUMITO様
こんばんは。コメントありがとうございます。
アリウムやアルミ(TALBO)、古くはAMPEGのアクリルなどありますが、何故かスタンダードにはなりませんね。
本当に木材の音が一番なのか、それともみんな懐古的なのか・・・。
これから益々良い木材は減っていくと思うんですけどねー。